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森林遺伝育種学会は森林に係わる遺伝と育種に関する場を提供する団体であり、日本学術会議協力学術研究団体となっています。

会長からのメッセージPresident Greeting

会長就任にあたって

 森林総合研究所林木育種センターの高橋誠です。2024年5月31日より、高田克彦前学会会長の後を継いで、森林遺伝育種学会会長を務めることとなりました。その責任の重さを感じつつ、これからの2年間の任期中、森林遺伝育種学会の着実な運営と学会の発展のために尽くして参りたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 森林遺伝育種学会は2012年3月の設立から12年が経過しました。この間、本学会は

 1.森林に係わる遺伝と育種の研究発表及び情報交換の場を提供すること。

 2.森林・林業分野における森林遺伝育種に関する情報を広く社会に広報して、日本の森林の持続的発展をはかること。

という目的を堅持しつつ、森林遺伝育種という分野の特性も踏まえながら、歴代の学会長や理事、主事、監事等の学会役員の努力と会員の皆様の参画意思によって、学会としての姿を形づくりながら、運営されてきました。年1回の大会とシンポジウムの開催やメールマガジンの配信等を通じて研究発表と情報交換の場の提供に努めてきているところです。また、定期的な学会誌の発行、掲載原稿のJ-STAGEへの登載と全原稿へのオープンアクセス、森林遺伝育種学会設立10周年を記念した国際シンポジウム「Forest Genetics and Tree Breeding: past progress and future prospects」の開催と『日本における森林樹木の遺伝的多様性と地理的遺伝構造』と『各都道府県の林業・林産業と遺伝育種の関わり』の刊行等により、森林遺伝育種にかかる情報を広く発信してきました。さらに、2020年1月には日本学術会議協力学術研究団体に指定されたほか、本年より『森林遺伝育種』誌は英文原稿を受け付けることになりました。会員の皆様にはぜひ英語論文の投稿をご検討いただき、『森林遺伝育種』誌を通じて森林遺伝育種にかかる知見を世界に向けて発信していただきたく思います。
 森林遺伝育種学会は、森林遺伝と林木育種に関わる幅広い内容を取り扱っており、ゲノム研究等の最先端の「研究」と林木育種事業等の「現場」における課題解決にかかる調査・研究に取り組んでいる研究者等が共存しており、このような点が森林遺伝育種学会の一つの特徴になっています。そして、「研究」の成果を事業の「現場」に結びつけ、よりよい森林整備や林業経営等に貢献することが本学会の重要な役割の一つであると考えています。近年、気候変動や生物多様性、林業の収支転換にむけた「新しい林業」の推進、主伐・再造林の推進とそれに伴う優良種苗需給の変化、花粉症対策、野生動物被害の増加、人口減少等が森林・林業を取り巻く環境に影響を与えており、それに伴って生じている多様な課題への対応が求められています。これらの課題を乗り越え、将来に向けたよりよい森林整備や林業経営等を実現するためにも、森林遺伝や林木育種、あるいはさらに関連学問領域に関わる研究者等がともに集い、情報交換や情報発信を行っていくこと、その場を提供することの重要性が一層高まっており、本学会がその役割の一端を担っていくべきものと感じています。
 今年6月に森林遺伝育種学会は新たな役員体制に移行し、総務委員会・委員長の玉木一郎さんをはじめとする理事8名、監事2名、主事3名に役職にご就任いただきました(学会運営の体制については、学会ホームページの役員のページをご覧ください)。今回学会役員にご就任くださいました皆様と連携を図りながら、研究の進展や現場における課題解決のための場を引き続き提供していくべく、よりよい学会運営に努めて参ります。
 今後とも会員の皆様のご支援を賜りますととともに、併せて、引き続き学会活動に積極的に参画していただけますよう、お願い申し上げます。


森林遺伝育種学会会長 高橋 誠
(森林総合研究所林木育種センター)
(2024年6月) 


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